在日米軍関係者によって繰り返される性的暴行事件に関する抗議・要請

連合沖縄は、繰り返される在日米軍関係者による性的暴行事件の実効性ある再発防止や在日米軍への綱紀粛正を求め、2025年1月20日(月)に「外務省沖縄事務所」および「沖縄防衛局」に対し抗議・要請を行いました。

【外務省沖縄事務所への抗議・要請】

【主な内容】

事件事故が起こるたびに、抗議や再発防止策を求める声があがり、その声に対し国は綱紀粛正を申し入れている。毎回適切に対処すると回答をするが、一向に事件・事故は減らない。これまでの国の対応方法に疑問を抱かざるを得ない。このような対応では、今後も米兵による性暴力犯罪はなくならない。県民が安心して暮らせるよう、主権国家として強く米国、米軍に対して抗議、申し入れをやっていただきたい。

子ども、女性が犠牲になる性犯罪事件が多く起こっている。新聞報道等で明るみになっているのは、ごく一部で氷山の一角である。国が強い姿勢を示さない事が大きな問題だと考える。毅然とした態度で再発防止策を求めていただきたい。

現在の地位協定で対応するには運用上、限界にきていると感じる。他国の地位協定の様に自国民の人権が守られる協定に改定されることを強く求める。このような犯罪や事件・事故が起こる度に、そこで働く者も批判を受け、肩身の狭い思いをする。基地内ではこのような凶悪な犯罪は起こっていない。軍人は規律を守り生活している。基地の中でルールを守れるのに基地の外で守れないというのは理由にならない。しっかりと改善していただきたい。

【外務省沖縄事務所:黒岩亮副所長】

抗議内容について厳粛に受け止める。11月の事案については起訴された段階であり、今の時点で外務省は詳細についてコメントする立場にはない。しかしながら、事件の再発防止策については、県や防衛局など様々な行政機関と連携をはかりながら議論を重ねている。昨年の抗議内容にもある通報制度についても昨年の7月以降見直しを行い、県への通報も適切に行っている。被害者のケアについてもプライバシーに配慮しながら、警察と連携してしっかりと行うよう努める。

再発防止策について、昨年の事件を受け、リバティー制度の強化を米軍は行っていると承知している。ローテーションで沖縄に赴任している兵隊は対象外であったが、それら兵隊も対象になること、性犯罪に対する講習を受けさせる、飲酒検問の強化の実施や飲酒に関する講話や今後は女性団体による講話を開催し、性犯罪の防止に努める予定である。このような再発防止策を一つひとつ積み上げていき実効性を高めていきたい。

地位協定の改定について、外務省の見解としては一つひとつの事案に対し丁寧に対応する見解ではあるが、地位協定改定についての議論も踏まえながら、抑止力の必要性との関係性も考えながら対応していきたい。日米上層部は、一般で思われている以上に危機感をもって対応を協議している。事務的対応から政治的対応、あらゆるレベルで再発防止策に取り組んでいる事をご理解いただきたい。

 

【沖縄防衛局への抗議・要請】

【主な内容】

一連の性犯罪事件に対し、非常に心を痛めている。基地あるが故に多くの犯罪が起こっている。そのことを米国に強く訴えていただきたい。沖縄防衛局は、このような事件や性犯罪について、自分の大切な家族や子どもが同じ被害にあったらと想像力を働かせてほしい。これだけ頻発している以外にも自分の意見を言えない被害者もたくさんいる。犯罪が起きても隠蔽され、明るみになるのに時間がかかる。県民の人権をどう思っているのか。もっと被害者の気持ちを考え、米側に綱紀粛正を求めていただきたい。

相手側が無実を主張したことにより、16歳以下の子どもが法廷に立たされることになった。沖縄の女性や子どもたちの人権を守るためには日米地位協定の改定はあたり前のことであり、このような状況を終わらせてほしい。

【沖縄防衛局:松島史人管理部長】

被害者やご家族の心情に配慮しながら対応することが極めて重要だと考える。その上で、プライバシーの観点から個別の対応策について申し上げることはできないが、これまでの防衛省としては関係機関と緊密に連携をはかり対応している。被害者の人権を蹂躙する悪質かつ重大な犯罪を許すことはできない。昨年から続いている米軍の性犯罪に対し、極めて遺憾であると思っている。米側も深刻に受け止めていると認識している。

実効性ある再発防止策が着実に実行されることが重要であり、繰り返しになるが米側にはあらゆる機会を通じて働きかけている。沖縄への負担軽減のため米軍再編等を防衛省としても進めている。地位協定は外務省の所管ではあるが、防衛局としても協定の見直しの声について本省に伝え、政府一体となり取り組む事項だと考えている。

今般起きている事案については現在調査中であることからコメントは差し控えることをご理解いただきたい。米軍が兵隊に対してどのような教育をしているか、逐一把握はできていないが、あらゆるレベルを通じて意見交換を行いたい。

 

連合沖縄仲宗根哲会長から、もう少し踏み込んだ回答を外務省や沖縄防衛局に求めましたが、今回の抗議・要請では得ることはできませんでした。引き続き、連合沖縄は実効性のある再発防止策により、新たな被害者を生み出さない安心して暮らせる沖縄県の実現を求めていきます。

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